世界日報 Web版

教師の喜び


 3月は卒業のシーズン。筆者の子供も数日前に小学校の卒業式を迎えた。この6年間、多くの先生たちに世話になった。式の終了後には担任や先生方から「卒業式を見て、すごく成長したと安心しました」「私がいろいろ言っても、よく頑張ってくれました」と声をかけてもらった。私たち親子にとって感慨深い式となった。

 子供が通った小学校は1クラスが三十数人。その一人ひとりに毎日きちんと気を配るというのは大変な仕事だ。よく「教師は多忙」と言われるが、実際、国際比較調査でも日本の教師の勤務時間が長いことが明らかになっている。

 教職員の定数は、少子化の進行と財政上の理由で、来年度は3500人余り減る。文部科学省と財務省のいわば折衷案だが、財務省案では今後9年間に3万7000人削減するという。財政問題があるとは言え、いじめや不登校も増えている現状では慎重に検討すべきところだろう。

 教師の多忙感については、次のような興味深い記事もあった。教育新聞「教育時事論評」(2月11日付)で、国立教育政策研究所総括担当官の千々布敏弥氏によると、夜遅くまで学校に残っていたり、部活動の指導を熱心にしている教師たちは「きつい」とは言っても、「忙しい」とは言わない。

 研究所に研修生として来ていた教師は、週末は自分の学校で部活動を指導し生徒と触れ合う時間を持つようにした。ある学校では夜10時を過ぎても帰らない教師たちを校長が叱責すると、「だって授業の相談をしていたら楽しいから」と笑って答えたという。

 つまり、多忙なら部活動をやめればいいということにはならない。教師にとって子供との触れ合い、子供のために授業を考えることが大きなやりがいになっているというわけだ。そういう教師を支え、子供の健全な成長のための環境整備を第一に考えたい。(誠)