世界日報 Web版

子供のスマホ利用、まず保護者が危険認識を


 児童ポルノ事件の中で、被害者がスマートフォン(スマホ)で加害者と出会うケースが増えている。家庭や学校は、子供たちにインターネット利用ができる携帯端末を使うことの危険性を知らせ、安全な使い方の指導に力を入れてほしい。

児童ポルノの被害増加

 警察庁のまとめによると、全国の警察が今年上半期に摘発した児童ポルノ事件は、788件。上半期としては10年連続の増加となり、過去最多を更新した。被害者として身元を特定した18歳未満の子供は325人。こちらも統計を始めた2000年以降で最多となった。

 この中で目を引くのは、スマホで加害者と出会った子供が昨年同期の1・5倍(126人)に増えたことだ。子供へのスマホの普及とともに、この世代でネットで他人と知り合うことに対する警戒心が欠如していることが背景にあるようだ。

 ネットセキュリティー関連企業のデジタルアーツが今年6月に行った調査では、未成年者(10~18歳)のスマホ所有率は59%だった。小学校高学年で32%、中学生55%、高校生91%と年齢が上がるにつれて所有率が高くなっている。特に、女子高生に限れば、95%に達しており、この層にとってはもはや必需品である。

 一方、同社が1年前に行った調査によると、ネットで知り合った人間と実際に「会いたい」「会ったことがある」と答えた小中高生は4割に達した。女子高生では、66%と高い割合を示した。

 物心ついた時から生活環境にネットがあったとはいえ、子供がネットを通じて見ず知らずの他人と知り合いになることに抵抗感を持たないことは驚きである。児童ポルノだけでなく、そのほかの性犯罪被害にも通じる危険な風潮と言える。

 それは情報化社会のマイナス面とも言えるが、そうであればこそ、大人が意識して、その弊害から子供を守る努力を行うべきであろう。子供にスマホを持たせる時、ネットで知り合った人間とは絶対に会わないなどの約束事を設けることは、保護者として最低限の義務である。

 出会い系サイト規制法によって、性犯罪の温床が出会い系から交流サイトに移って久しいが、携帯端末を片時も離さずにいる子供が多い原因の一つは、LINEをはじめとしたコミュニケーションアプリの仕組みにある。メッセージが届いたらすぐに返事をしなければ仲間外れにされるかもしれないという不安感をかき立てるのだ。

 見方を変えれば、心から信頼できる肉親や友人が周囲に少なく、その孤独感から出会いを求めて交流サイトにのめり込むのだろう。その意味では、ネットを通じた性犯罪被害の増加は、身近な人間との直の交流の大切さを改めて示していると言える。

安易に与えるべきでない

 子供にネット接続端末を使用させる理由を保護者に質問すると、その4割は「子供にせがまれたから」と答えている。子供の歓心を買うために、スマホを安易に与える保護者がいかに多いことか。子供を守るためにも、まず保護者がその危険性を認識すべきである。

(10月6日付社説)