世界日報 Web版

子供とスマホ、性犯罪の被害を防止せよ


 スマートフォン(スマホ)が普及するに伴い、交流サイトを使って性犯罪に遭う未成年者が急増している。自由な時間が増える夏休み中は、子供のスマホ利用時間が長くなる。保護者はその危険性について、子供に注意を促してほしい。

 無料通信アプリで被害

 警察庁によると、スマホで交流サイトを利用して性犯罪の被害に遭った子供は昨年741人だった。2011年11人、12年160人と比べると、その急増ぶりが分かる。中でも目立つのは「LINE」「カカオトーク」といった無料通信アプリで使うIDの交換掲示板を利用したケース。その数は352人で、前年の10倍に達している。

 携帯電話やパソコンを使ったケースを含めると、1293人(前年比20%増)が被害を受けている。その半数以上は15歳以下だった。

 かつて性犯罪の温床となっていたのは「出会い系サイト」だが、このサイトの規制強化に伴い、フェイスブックやミクシィをはじめとした会員制サイト、自己紹介サイトなどの交流サイトが利用されるようになっている。子供がこれらを使うことの弊害についてはこれまでも指摘されてきたが、改めて危険性を周知させる必要があろう。

 交流サイトの利用で性犯罪の被害に遭う子供が急増した背景には、10代へのスマホの急速な普及がある。インターネットセキュリティ関連企業デジタルアーツが今年3月発表した調査結果によると、その保有率は小学生38%、中学生55%、高校生88%だった。中でも女子高校生は95%と極めて高い。グループで無料で情報交換できるLINEなどの利用が魅力なのだろう。

 その一方で、被害を受けた子供の95%が有害サイトの閲覧を制限するフィルタリングを使っておらず、しかも保護者から注意も受けていなかったという。「LINEが使えないと、仲間外れにされる」とねだられて、スマホを与える保護者が多いようだが、子供に自由に使わせている無警戒ぶりも問題である。

 販売店は契約の際、フィルタリングについて十分説明する義務があるが、それを怠っている可能性はないのか。警察による過去の調査では、説明の不徹底が明らかになっている。スマホの場合はさらに疎かになっていることも考えられる。警察は実態を把握し、説明を徹底させるよう厳しく指導すべきである。

 性犯罪の被害に遭う危険性があるほかにも、子供のスマホ利用の弊害についてはいくつか指摘されている。その一つは、ネット依存だ。総務省の調査によると、子供の1日あたりの平均時間は2時間を超えている。節度ある使用を促すために、さまざまな努力が始まっているが、今注目を集めているのは愛知県刈谷市の取り組みだ。

 親子で話し合う場を

 刈谷市は4月から小中学校を対象に、午後9時以降のスマホ利用を制限する運動を行っている。これをきっかけに、保護者と子供がその使い方について話し合う時間が増えているという。運動が全国に広がることを期待するとともに、この夏休み中、スマホ利用について親子で話し合う場をつくってほしい。

(8月4日付社説)