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朝鮮学校敗訴、北追従では無償化は難しい


 高等学校授業料の実質無償化で朝鮮学校を対象外にした国の処分は違法だとして、広島朝鮮初中高級学校の運営法人と元生徒109人が処分撤回と計約5600万円の損害賠償を求めて起こしていた訴訟で、最高裁第3小法廷は原告の上告を退け、一審と二審の原告敗訴が確定した。朝鮮学校は金正恩朝鮮労働党総書記を頂点とする北朝鮮の独裁体制を称賛し、これに追従する教育方針を変えていない。今回の判断は極めて当然だ。

偏向的な教育繰り返す

 最高裁は判断の根拠など詳細を明らかにしていないが、一審で地裁は北朝鮮や在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)と密接な関係にあるとの認識を示し、適正な学校運営がなされていないとする国の主張を認め、対象外とした国の判断に「裁量の逸脱はない」としていた。二審もこれを支持した。

 同様の訴えは2013年以降、広島を含め全国5カ所で起こされていたが、これで全て敗訴が確定したことになる。

 朝鮮学校は北朝鮮の体制を支持し、その指示を受けた活動もする朝鮮総連と傘下団体の指導の下で運営されている。学校教育法上、日本政府や地方自治体から補助金が支給される各種学校ではあるが、主に在日韓国人や韓国人駐在員の子供らが通う韓国学校とは異なる。

 旧民主党政権は10年に高校無償化制度を導入し、当初は朝鮮学校も対象とする方向で検討した。だが、同年11月の北朝鮮による韓国・延坪島砲撃で審査が凍結された。

 その後、第2次安倍晋三政権が発足すると、拉致問題が未解決である現状や日本の教育基本法の理念から逸脱した偏向的思想教育や反日教育が繰り返されている実態が問題視され、13年に対象から外された。

 朝鮮学校に対する国としての向き合い方が迷走した感は否めない。最初から朝鮮学校の問題点を直視していれば、こうした混乱は避けられただろう。

 原告側は、朝鮮学校を対象外とするのは教育の機会均等を目的とする無償化の趣旨に反すると主張してきた。だが無償化となれば、今なお日本の平和と安全を脅かし続ける北朝鮮を称賛・追従する組織の影響下にある学校に税金が投入されることになる。国民の理解が得られるとは到底思えない。

 北朝鮮メディアは今年5月、結成66年を迎えた朝鮮総連を「民族教育を体系づけた模範」と称賛し、「民族教育こそ総連の存亡を左右する生命線」と指摘した。日本の教育基本法が禁じる「不当な支配」の疑いが払拭(ふっしょく)されるどころか、朝鮮総連と朝鮮学校が不可分の関係にあることを物語っている。

 朝鮮学校は高校無償化の対象外とされた影響で、政府・自治体からの補助金の総額が09年からの10年間で4分の1水準に激減し、学校数や生徒数も統廃合の影響で減少している。配慮を求める声もあるが、教育方針の抜本的見直しが先決だ。

存在自体が政治的だ

 「政治と教育は別」として無償化を求める声もあるが、朝鮮学校の存在自体が極めて政治的であると言わざるを得ない現状では、やはり無償化は無理だ。