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競技場にリモート応援を映すモニターの設置を


 今月23日開幕の東京五輪のほとんどの競技が無観客で行われることになった。開催都市の東京で新型コロナウイルス感染がまたもや拡大傾向にあり、12日から4回目の緊急事態宣言が発令された。感染拡大を防ぐための「予防的措置」であるというが、五輪の無観客開催は残念至極だ。

 新型コロナの最大の脅威は、人と人との接触を断絶させることだ。いわゆる「濃厚接触」を避けることが、感染拡大を防ぐ最大の切り札になる。そのため、同居する家族以外の「なじみのない人」や「見知らぬ人」(ストレンジャー)とはなるべく接触しないようにする。これは世界の国々から日本を訪れる選手たちを温かく迎えて「おもてなし」しようという、東京五輪の趣旨と正反対のベクトルだ。

 とはいえ、感染対策という大義のため、東京五輪でも、開催地(競技会場や練習場、宿泊施設など)を大きな泡で包むように囲い、選手たちを隔離し、外部の人たちとの接触を遮断する「バブル方式」を採用しており、選手たちには厳しい検査体制と行動制限が課せられている。彼らにとっては、相当なプレッシャーとなっていることは間違いない。

 それを甘受してまで日本を訪れ、競技のある1日、あるいは数日に、長年培ってきた技量を発揮するため全精力を投入する多くの選手にとって、それを見守る観客が会場にいる、いないは大きな影響を与えるだろう。それが誰もいないということは、日本人がそんな選手たちと直接出会う唯一の機会までなくなるということだ。

 技術的・財政的な事情は分からないが、できれば競技場に巨大なディスプレーモニターでも設置し、そこに日本や世界から競技を見守り、応援する多くの人々の姿が映し出される“リモート応援”の仕掛けでもできないだろうか。日本の経済・科学技術力を総動員すれば10日余りでも可能なはずだ。

(武)