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便利な「駆け込み寺」、病児保育の怖さ


 今月13日、横浜市の大規模病児保育施設が約1億円の赤字を抱え、2年で閉鎖した。同施設は子供が急に熱を出しても医者の診断書なしで、朝7時から預かってくれるため、共働きの親には「駆け込み寺」のような存在だったという。

 同施設の運営者の弁によると、「1日の利用が少ない時でも保育士や看護師など一定のスタッフを確保しなければならないため、赤字が膨らんだ」とのこと。

 12月25日、NHKの「おはよう日本」は、さっそくこの問題を取り上げ、利用者が住んでいる市区町村に関係なく利用できる山梨県が運営するインターネット予約サイトを紹介していた。

 これは県内17の病児保育施設の空き状況と営業時間をネットで確認し、予約ができる。番組では、慌ただしい朝の食卓で病児を抱いた母親が空き情報をスマホ検索していた。荷物を預けるような軽い感覚だ。

 親にとって便利でも、子供は朝突然、普段と違う所に連れて行かれるわけである。知らない保育士さんにすぐなつけるのだろうか。そんな心配が頭を巡る。

 全国に約3000カ所ある病児保育室の7割は赤字と聞く。横浜市の閉鎖を知った利用者のなかには、自治体がなぜ助成金を出さないのかといった、行政の責任を問うツイッターもあった。

 10月から幼児教育・保育無償化がスタートした。そのため保育の申込が増え、行政の財政負担が増している。当然、1億円もの赤字が出る事業に予算を組めるはずがない。

 病児保育のニーズが増えているのは、0歳から預ける人が増えているからであろう。直近のデータでは0歳児の16・2%が保育所に預けられている。

 乳幼児は免疫力が弱いため、ウィルスに感染しやすい。子供の育ちを考えれば、0歳児を預けなくてすむ社会に変えていくのが、子供や親、そして社会全体が上手く回っていく。

(光)