
京都府南部の山城地域は日本茶を代表する「抹茶」「煎茶」「玉露」を生み出し、日本の喫茶文化を支えてきた。現在も残る茶畑・茶問屋街・茶工場・茶ゆかりの寺社などから日本茶の文化を辿(たど)ることができる特別な土地だ。

もともとこの地域は都との位置関係などから、古くから貴族の別業の地として栄え、貴族の嗜好(しこう)に応えようとする風土があった。13世紀には中国からもたらされた茶の栽培が本格的に始まり、その宇治茶生産の始まりの地には、「駒蹄影園(こまのあしかげえん)跡碑」が立つ。
宇治茶は15世紀には足利将軍家の評価を勝ち取り、日本一の茶となった。宇治には特別な茶園「七名園」が設けられ、最高級の茶葉を作った。その茶園の一つである「奥ノ山茶園」では室町時代から茶を作り続けている。

京都府指定の景観資産第1号として知られる和束町(わづかちょう)の石寺の茶畑は大量の茶葉を生産するため、山頂まで山なりに開墾され、独特の美しい横畝(よこうね)模様の茶畑景観を見ることができる。車でうねる山道を登り続けると視界が開け、思わず「すごい」と呟いてしまう美しい茶畑が広がる。





