日本版モン・サン=ミシェル
東京・新宿から小田急ロマンスカーで約70分、特急と在来線を使っても2時間はかからない観光地、江の島(神奈川県藤沢市)。夏のシーズン(7月1日から8月31日まで)は、数多くの観光客などで連日賑(にぎ)わっている。夏真っ盛りの7月中旬に足を運んだ。(佐野富成)


江の島と藤沢市を結ぶ、江の島弁天橋から見える江の島の姿は、フランスの世界遺産「モン・サン=ミシェル」を彷彿(ほうふつ)とさせる。
日本には、その他にもモン・サン=ミシェルをうたうところがあるが、最も近いのは江の島と思われる。

実は、江の島とモン・サン=ミシェルが共通する点は幾つか存在する。
①いずれも人々に信仰されている島であること。江島神社と修道院が現存すること。②干潮時に海を渡れる。トンボロ(イタリア語、日本語では陸繋砂州(りくけいさす))現象がある。③入り口に大きい門(江の島では鳥居)がある。
また、いずれも戦乱の時代には城塞(じょうさい)としての機能を持ち合わせていたなど共通するものが多くある。
弁天橋を渡り、さっそく島内へ。真っすぐな商店街を歩いていくと江島神社へと向かう階段とぶつかる。観光客がスマホで記念撮影をする姿も。
江島神社

江の島を語る上で欠かせないのが江島神社だ。「日本三大弁財天」として名高く、御祭神は三姉妹の女神で、奥津宮、中津宮、辺津宮の社殿にそれぞれ祀(まつ)られている。各宮に行くには歩くのが一番だが、体力に自信がない場合は、エスカーと呼ばれる上り専用エスカレーターがあり、これを使うと便利だ。全3区間大人360円、小人180円で乗ることができる。辺津宮の境内、奉安殿には源頼朝が鎌倉に幕府を開く時に造らせたとされる八臂(はっぴ)弁財天と、「裸弁財天」ともいわれ音楽芸能の上達に御利益のある妙音弁財天が安置されている。

神社の歴史は、552年に欽明天皇の勅命で島の岩屋に神様を祀ったことが始まりとされ、修験者、源頼朝・北条時政といった武将や庶民も信仰してきた。古くから龍が住む場所といわれる江の島には、龍にまつわる伝説も数多い。
江の島弁財天信仰の発祥の地は、海食洞窟、岩屋だ。ろうそくの炎で照らされた天然の洞窟に刻まれた歴史に、思いを馳(は)せるのもいいだろう。岩屋の入洞料は、中学生以上500円、小学生200円。遊覧船「べんてん丸」でも、約6分の海上遊覧を楽しみながら岩屋近くまで行くことができる。

江の島シーキャンドル
江の島の中心部には、高さ59・8メートルの江の島シーキャンドル(展望灯台)とサムエル・コッキング苑がある。展望台からは、相模湾や藤沢市などが一望できる。天候が良ければ、新宿の高層ビル群や東京スカイツリーも見ることができる。正直、もっと天候がいい時に来たかったが残念だった。
江の島は、古くから龍が住む場所と言われ、龍にまつわる伝説も数多い。
えのすぱ
江の島を歩いて汗をかいたら、江の島アイランドスパ(えのすぱ)がお勧めだ。地下1500メートルから湧き出る塩化物泉で保温・保湿効果がある。高濃度炭酸泉(人工)は血行を良くし疲労回復に効果があり、歩き疲れた体を癒やし、明日への鋭気を養える。2時間天然温泉を満喫できる、江の島天然温泉プラン大人2850円、小学生1600円。温泉とプールを時間制限なく1日楽しめるワンデイスパは大人4650円、小学生2500円。
温泉につかり、館内のレストランで食べるもよし、館外で食べるもよし、今年の夏休みは「江の島」で愉(たの)しんではいかが。






