かまくらや絶景アウトドアも
東北地方は雪に埋もれた厳しい冬というイメージが強いが、2月の秋田県内は「雪を楽しむ」人々の笑顔が絶えない。7日開始の「なまはげ柴灯(せど)まつり」から、大館アメッコ市、湯沢の犬っこまつり、上桧木内(かみひのきない)の紙風船上げ、刈和野(かりわの)の綱引き、そして小正月行事としての角館の火振りかまくら、横手市のかまくらと続く。一方、絶景を眺めてのスキーやスノートレッキングなどのアウトドア体験は冬ならではの楽しみだ。(文と写真・伊藤志郎)

男鹿の「なまはげ柴灯まつり」(2月7日~9日、事前予約制)は観光行事だが、真山(しんざん)神社の境内に乱入するナマハゲは迫力十分。
百軒余りの露店がずらりと並ぶのが大館アメッコ市(8日~9日)。街路樹にも色鮮やかな飴が飾られ、白髭大神の巡行や秋田犬のパレードもある。県南・湯沢の犬っこまつり(同日)は雪像に加え、太鼓演奏と冬花火の打ち上げが雰囲気を盛り上げる。

角館の北、仙北市西木町の「上桧木内の紙風船上げ」(10日)は武者絵や美人画、アニメの登場人物などを描いた約50個の紙風船が広場に集合。ふるさと芸能や民謡の手踊りから始まり、紙風船が次々に打ち上がる。
同じ10日の夜、大仙市・刈和野では国内最大級の大綱引きが迫力満点。室町時代から続いており、大綱の直径は約80㌢。雄綱は約6㍍、女綱は約50㍍もあり、二つの町内に分かれ綱を引く。参加は自由で、汚れてもいい防寒着が必要。あたかも人生の縮図を垣間見るかのような貴重な体験ができよう。
また大仙市の「川を渡るぼんでん」(11日)は、橋がない時代に対岸の神社に奉納するため舟で渡ったことから始まった。一面の銀世界と、ぼんでんの色彩が幻想的だ。

さて角館の火振りかまくら(14日)と横手市のかまくら(15日~16日)は、小正月行事としての意味は同じだが、形は異なる。昨年の横手市は道路の積雪がゼロだったが、今年は平年並みの雪で「メルヘンの世界」が楽しめそう。メイン会場は市役所前や横手公園など4カ所で、市内各所に約60基のかまくらが作られる。中の子供達は甘酒や餅を振る舞う。
一方、田沢湖スキー場などには海外からも滑りに来る。田沢湖高原温泉郷では小雪の舞う露天風呂もおつなもの。
樹氷鑑賞(3月5日まで)で有名な北秋田市の森吉山(もりよしざん)はスキーやスノーボードが楽しめるスキー場がある。そして秋田市なら秋田駅から路線バスで約35分、太平山リゾート公園のスキー場オーパスとクアドーム「ザ・ブーン」に着く。温泉に加え温室プールも利用可能だ。

ところで、冬にしか体験できないのがスノーシューを履いての雪歩き。普段は行けない藪や樹間を進み、木の芽の形や動物の足跡に遭遇できるチャンスも。田沢湖や乳頭温泉郷で体験できる。

なお、秋田県では冬の大型観光キャンペーン「誰と行く?冬の秋田」を2月28日まで開催。体験コンテンツが最大半額になる「秋田冬アソビ割」や、秋田グルメが抽選で当たる「秋田デジタル周遊ラリー」も開催中。