トップ文化旅・レジャークルーズ船で運河めぐり、冬の小樽を散策ー北海道小樽市

クルーズ船で運河めぐり、冬の小樽を散策ー北海道小樽市

夜はライトアップで幻想風景

歴史の浅い北海道の中でも小樽の歴史は江戸時代まで遡る。明治時代以前から北前船による交易などで栄え、その流れは明治時代に入ってからも続く。その名残は市内の至る所で見ることができる。今ではコロナ禍で途切れた外国人旅行客の客足も戻り、小樽の町は今や一大インバウンド観光地の様相を呈している。(文・湯朝 肇)

冬の小樽運河を行くクルーズ船
冬の小樽運河を行くクルーズ船

「正直、寒くて凍えそう。でもこんなに人がいっぱいいるなんてびっくりだね」――。そんな声が聞こえてくる年末の小樽の運河沿い。韓国、中国、台湾ばかりでなく東南アジアや欧米からの観光客で「ごった返している」といった表現がぴったりだ。運河から徒歩で5分ほどの堺町通り商店街には明治から大正、昭和のレトロな建物が立ち並び、オルゴールやガラス工芸、コンブ・乾物、寿司、土産店はどこも人だかり。

札幌の西隣に位置する小樽は、人口10万人ほどの町だが北海道を代表する観光地だ。今でこそ、観光の目玉の一つになっているのが小樽運河だが、最初から運河として建設されたわけではない。

観光客で賑わう小樽オルゴール堂周辺
観光客で賑わう小樽オルゴール堂周辺

大正11年、道内経済が拡大する中、物流の拠点であった小樽港整備拡張のための埋め立て地との間にできた運河(らしきもの)が、一時は存続の危機に陥りながらも、その後の市民の要望によって憩いの場となり、今では海外から多くの観光客が集うようになった。

運河では四季を通してクルーズ船が運航。氷点下の冬にでも満席となる人気ぶりである。また、2月8日から運河を中心とした1週間のイベント「雪あかりの路」には、運河や街の随所でキャンドルアイスが飾られ、街中が幻想的な美しさに包まれる。

一方、小樽では石川啄木や小林多喜二、伊藤整といった文学者の足跡を探ることができる。特に石川啄木の歌碑が現在の小樽駅のすぐそばに立っている。

「子を負いて雪の吹き入る停車場にわれ見送りし妻の眉かな」

啄木は明治41年、それまで住んでいた函館から小樽に家族で移り住んだ。しかし、小樽に滞在したのはわずか5カ月で、その後釧路に向かうことになるが、その時に詠んだ歌である。小樽駅の人混み、その日の天気、不安そうに見つめる啄木の妻。当時の情景が伝わってくる。

この頃、小樽は札幌よりも経済が発展し、北の商都として確立していた。そのシンボルになっていたのが日本銀行旧小樽支店である。当時は小樽には25行もの銀行があり、「金融の街」として名を馳(は)せていた。この周辺には、その頃の面影を残す歴史的な建造物が現存しており、タイムスリップ感が味わえる。

現在は金融資料館になっている日本銀行旧小樽支店
現在は金融資料館になっている日本銀行旧小樽支店

小樽の夜景は北海道三大夜景の一つとされている。ロープウエーのある天狗山中腹から見る夜景は、一日中回った小樽観光の締めくくりとしては最適の場。北海道の冬の観光をしっかりと記憶に残してくれる。

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