『エンドレス・クッキー』に金鯱賞
長編アニメ作品に特化した国際映画祭「第1回あいち・なごやインターナショナル・アニメーション・フィルム・フェスティバル」(ANIAFF=通称アニャフ)が12月12日から17日にかけて、名古屋市内のミッドランドスクエアなどを中心に開催された。

同映画祭は、「ジャンル」「国境」「テクノロジー」の境界を越えて、次世代型の国際アニメーション映画祭・国際マーケットを構築し、日本、アジア、世界を牽引(けんいん)することを目指すことを掲げる。
また、「クリエイター・ファースト」の視点から多くの作品を創出し、グローバルに発信することで世界を代表するアニメーション映画祭を目指すという。
今年の6月に開催が発表されてから、短期間ながら国際コンペティション部門に29カ国から45作品の応募があった。その中から11作品が選出された。
コンペ部門の選出条件として、2024年1月以降に完成した40分以上の長編作品を対象とした。
コンペ部門審査員は、米国のオーブリー・ミンツASIFA―Hollywoodエグゼクティブ・ディレクター、仏アニメ作家でイラストレーターのペネロープ・バジュー氏、ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役の塩田周三氏が務めた。
日本の『ひゃくえむ。』が赤鯱賞

日本から『無名の人生』(鈴木竜也監督)、『ホウセンカ』(木下麦監督)、『ひゃくえむ。』(岩井澤健治監督)の3作品が選出された。17日に行われた授賞式では、最優秀作品賞(グランプリ)に当たる金鯱(しゃち)賞に8年の歳月をかけて制作されたドキュメンタリー作品『エンドレス・クッキー』(セス・スクライヴァー監督、ピーター・スクライヴァー監督/カナダ)、審査員賞に当たる銀鯱賞には『燃比娃(ランビーワ)―炎の物語―』(ウェンユー・リー監督/中国)、観客賞に当たる赤鯱賞には『ひゃくえむ。』(岩井澤健治監督/日本)がそれぞれ選出された。

金鯱賞を受賞した『エンドレス・クッキー』は、白人の弟が先住民である兄にインタビューをする様子を描いた異父兄弟を巡る話で、審査員の一人は「重要なのは、本作が感情に訴え過ぎたり、迎合したりすることなく社会問題を浮き彫りにし、それが世代間のトラウマや文化的疎外といった深刻な問題を語るための独自のアプローチとなっています。観客はまるで家族の一員になったかのように感じ、『家族の歴史』が心に響くテーマとして私たちの心に残りました」と受賞理由について語った。
赤鯱賞を受賞した『ひゃくえむ。』の岩井澤健治監督は「ちょうど『ひゃくえむ。』のビジュアルが赤なのでぴったりだったと思います」と喜びを語った。
岩井澤監督は、アニメーション文化の発展のために貢献している個人や企業を顕彰するカキツバタ賞(個人賞)も受賞した。
その他の受賞者は、ユリ賞に株式会社エディッツの廣瀬清志氏、企業に与えられるハナノキ賞に株式会社ピーエーワークス。
(佐野富成)






