トップ文化書評『技を極める 合気道』 植芝 守央著 試合せず、稽古で心身を鍛錬 【書評】

『技を極める 合気道』 植芝 守央著 試合せず、稽古で心身を鍛錬 【書評】

ベースボール・マガジン社 定価1320円
ベースボール・マガジン社 定価1320円

 「礼に始まり礼に終わる」と言われる武道は礼儀作法を重んじるため、礼儀作法が身に付く習い事の一つとして子供たちの人気を集めている。

 稽古では相手と真剣に向き合うため、高い集中力、肉体面・精神面の両方を鍛えられるというメリットもある。人気の順位でいうと、第1位空手、第2位柔道、第3位剣道、第4位少林寺拳法、第5位合気道となっている。

 本書では合気道とはどんなものなのかを語っている。

 もちろん、初心者からベテランまで参考になる技の解説が大部分を占めるが、本書に譲ることにする。

 開祖の植芝盛平(うえしばもりへい)氏(1883~1969年)が伝統武術の奥義を窮め、さらに厳しい精神修養を重ね創始した現代武道。「勝とうと気を張っても視(み)えない。愛をもって包み、気をもって流れるにまかせるとき自他一体の気・心・体の動きの世界が展開し、悟りえた者が勝ちをおさめている」と語る。

 入身(いりみ)と転換の体捌(たいさば)きから生まれる技を互いに技をかけ合う稽古によって心身を鍛錬する武道であり「和」の武道と言われる所以(ゆえん)だ。昇段試験は試合形式を取らず、「基形」の演武を審査員が採点。審査員の「止め」が入るまで、同じ連弩(れんど)の相手と同一の技を左右、表裏でひたすらこなす。

 道場は年齢、性別、職業・国籍を問わず、多くの人々が集っている。稽古の積み重ねは健康に良く、日常生活においても積極性を持てるようになり、自然に自信が持てるようになる。人間理解を深める場にふさわしい。「うまずたゆまず」稽古を継続することが上達の道である。

 合気会は、合気道界で最大勢力の合気道統括組織であり、日本国内100万人(約2400の道場・団体の会員)、世界全体で160万人ともいわれる合気道人口の8割を占める。毎年5月に 日本武道館で全日本合気道演武大会が開催され1万人以上が参加する。合気会の他に養神館、心身統一合氣(あいき)道、富木(競技)系、岩間系、天道流、万生館など、さまざまな流派が存在する。

  太田和宏

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