トップ文化書評『日本共産党 悪魔の事件簿』 松崎 いたる著 元党員による内部告発集【書評】

『日本共産党 悪魔の事件簿』 松崎 いたる著 元党員による内部告発集【書評】

飛鳥新社 定価1200円
飛鳥新社 定価1200円

 「殺人」「スパイ」「冤罪(えんざい)」「税金還流」「性犯罪」「海外逃亡」「謎の突然死」――。

 いずれも共産党員が関わった犯罪やスキャンダルだが、大手メディアは報じようとせず、「なかったこと」にされようとしている。

 平和教育で訪れていた沖縄県名護市の辺野古沖で、平和活動家が運航する船が転覆する事故があり、女子生徒が死亡した。この事故で亡くなった女子生徒を乗せていた「平和丸」の船長は、共産党員であることが分かっている。

 本書は、『日本共産党暗黒の百年史』の著者で元日本共産党区議団幹事長の松崎いたる氏が自身の経験を基に、共産党の裏側に迫る告発ノンフィクション。日本共産党という組織の構造的欠陥や、メディアが報じない「裏の事件史」に関する貴重な内部リポートだ。

 日本共産党本部に勤務した経歴を持つ松崎氏は、約16年にわたって東京都板橋区議として活動した。その後、公金横領・詐欺疑惑を独自に調査・告発したことで党の規律を乱したと見なされ、除籍された。松崎氏は、「これは単なる告発ではなく、我々が知っておかねばならない真実だ」と強調する。

 東日本大震災の宮城県石巻市におけるボランティア活動は、実質的な選挙運動になり、集めた寄付金が党の活動資金に充てられたことを明らかにしている。

 それ以外にも、志位和夫氏の知られざる家系や、被災地支援における問題、税金を利用した資金洗浄疑惑、機関紙「しんぶん赤旗」を巡るトラブルなど、政治的な暗部も赤裸々に描かれている。

 昨年12月に日本共産党の権力を象徴する不破(ふわ)哲三元議長が死去し、議長職を引き継いだ志位和夫氏が今年2月の衆院選に立候補せず政界を引退した。そして、その選挙では共産党が大きく議席を失い、泡沫(ほうまつ)政党となった。無数の問題に対して反省も謝罪も怠った自己保身の態度に国民がノーを突き付けたのだ。本書を読むことで、その理由がよく理解できる。

(豊田 剛)

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