
日本を訪れる外国人が増え続けている。観光地を巡ったり、美味(おい)しいものを食べたりするだけでなく、日本の文化、伝統を学び、その背景にある日本語に興味を持ち、学び続ける外国人もいる。著者は日本語を教える中で当たり前に使っている言葉の中に気付かない、興味深い点に気付いたという。
韓国出身でJ-POPのシンガーソングライターのKさん(韓国出身、妻はタレントの関根麻里さん)は日韓共同開催のサッカーワールドカップの主題歌をグループで歌ったことをきっかけに日本語に興味を持ち始めた。日本語で語るラジオ番組で日本語の謙虚さを学び「間違え、笑われるのは、むしろチャンスだ」と語っている。
イタリア出身の翻訳者、イザベラ・ディオニシオさんは流暢(りゅうちょう)な日本語を話す中で日本語の美しさを語る。「日本語で話している自分とイタリア語で話している自分は別人格」と明晰(めいせき)に自己分析する。
「私の日本語は、基本、全部、想像」とドイツ出身のマライ・メントラインさん。日本語は省略が多い。対してドイツ語は省略がない、きちっとした分法だと違いを指摘する。フィンランド出身のラウラ・コピロウさんは「類義語を探し、よりしっくりくるものは何かと検索を続けた」という。
「自分の日本語をチェックする、もう一人の自分がいる」とベナン共和国出身のアイエイドゥン・エマヌエルさんは語る。ウクライナ出身の工藤ディマさんは「言葉の響きが大好きで、文法も語彙も全部耳から入ったもの」という。現在は声優として活躍している。
ジョージア大使のティムラズ・レジャバさんは「たとえ日本語の方がうまく使えるようになっても、心の言葉はジョージア語」だという。言葉の習得と心のよりどころは別物だと語る。 著者は「話せる、使えるというのは長く住めば出来るようになる。日本語から何を学んだか、何を伝えたいのかが大切だ」と言語学習の根本を伝えたいと訴える。
太田和宏
小学館新書 定価1056円






