トップ文化執行草舟氏の思想とキリスト教の接点 人間は死ぬために生きる 十字架と復活の死生観

執行草舟氏の思想とキリスト教の接点 人間は死ぬために生きる 十字架と復活の死生観

ユニバーサル福音教会牧師 吉田 宏

執行草舟氏(右)と筆者=4月3日、都内
執行草舟氏(右)と筆者=4月3日、都内

 筆者が何故「執行草舟(しぎょうそうしゅう)」という人物に関心を持ったのか、それはたまたま執行氏の動画 「自民党圧勝の意味」を見て強い共感を持ったからである。執行氏の高市早苗首相評が、普通の評論家にはない「霊性革命」という宗教的視点から論評され、総選挙での高市自民党の圧勝を「フランス革命に匹敵する霊性革命」であり、「聖霊が降臨した」と評した。それまで執行氏を知らなかった筆者だが、「一体、執行氏とは誰か」という強い問題意識を持ったのである。

 無論、この驚くべき人物を、一回の紙面では書き切れないが、執行草舟入門の一文として、以下その骨子を記しておく。

 執行氏は、宗教思想家、読書家、著述家であり、そして実業家でもある。執行氏は菌食による酵素食品製造販売の超優良企業である「株式会社日本生物科学」を創業している。そして、人間の魂の超越性を語る佐賀藩士山本常朝(つねとも)著『葉隠(はがくれ)』と『聖書』を座右の書とし、著書は30冊を超えている。

 そして驚くべきことに、3歳から30歳の時までに、死を4度、大怪我(けが)を2度、霊的体験を3度経験し、いわゆる死後の世界に何度か行った(臨死体験)が、「まだ早い」と言われて三途(さんず)の川から追い出されたという。

 特に城ケ島での切腹未遂で太陽と一体となり、九死に一生を得た体験、目黒不動尊祈願の満願日に不動明王が口から入ってきた体験は凄(すさ)まじく、主著『おゝ ポポイ!』(PHP研究所)や竹本忠雄著『執行草舟の視線』(講談社)に、この間の事情が生々しく記されている。つまり執行氏は現代の霊能者なのである。

 4月3日の午後、図らずも筆者は東京・半蔵門にある執行氏が経営する日本生物科学の社長室でお会いし、約70分、いろいろ意見を交換することができた。先(ま)ず驚いたのは蔵書の質と量の多さであった。かなり広い社長室の周りの壁一面には、トインビーの『歴史の研究』全巻、トマス・アクィナスの『神学大全』、内村鑑三と新渡戸(にとべ)稲造の全集などが並べられており、これら全ての古典を読破したという。

 特に『内村鑑三全集』全40巻(岩波書店)は、執行氏の宗教哲学の根幹となる「絶対負」という独自の思想確立の端緒になったという。つまり執行氏は稀代(きたい)の読書家であり、かつ死線を越えた霊的体験者なのだ。

 さて執行氏の唱える「絶対負」とは生命の根源となっている宇宙エネルギーであり、人間は死ぬために生きているという死生観を確立した。だが筆者には絶対負とは天地創造の神であり、その死生観はキリスト教の十字架と復活の思想に思える。ヘブライ思想をギリシャ語で語るという言葉があるが、神と十字架の思想を『葉隠』や古典の言葉を借りて語っていると見えるのである。

 ちなみに執行氏の両親はキリスト教徒で、聖公会系の立教で小学校から大学まで一貫教育を受けた。その間、聖公会の洗礼と堅信礼に与(あずか)り、自らを制度教会に属さないキリスト教徒であると告白している。つまり筆者から見れば、執行氏は正真正銘のキリスト教徒なのだ。今後、前人未到の精神世界に挑戦するという執行氏だが、甘いヒューマニズムや平和主義を批判する真正なる保守の論客としても目を離せない。

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