
どのような地質活動の積み重ねで秋田県が誕生したのか、おびただしい動植物の化石や鉱物標本を一堂に集めて繙(ひもと)く企画展「秋田の大地と成り立ち」が秋田県立博物館(秋田市金足)で開かれている。地質活動の解説や、県内4カ所のジオパーク紹介もあり現地を訪れる際の役に立つ。
全体は六つのコーナーで構成。プロローグは「秋田の地質と風景」である。男鹿(おが)市北浦の「鬼の俵ころがし」や秋田駒ケ岳のカルデラ、小坂鉱山など身近な所に地質活動の痕跡が残っている。地層の断層が見られる場所も県内には多い。
「第1章」は、秋田の土台となった『白亜紀』以前の地質時代(6600万年以前)。恐竜やアンモナイト、さらに昔の三葉虫が栄えた時代だが、県内では地下深くにあって化石は見つからず、広く秋田県の土台となっている。県内最古の、東成瀬村で見つかった2億5000万年前の岩石や、アメリカのティラノサウルスの頭部レプリカは圧倒的な存在感を持つ。
男鹿半島の「ゴジラ岩」や枕状溶岩ができたのは次の『古第三紀』(~約2300万年前)。
時代は進み、県内に広く分布する地層は『新第三紀』(~約260万年前)に造られた。
『新第三紀』は日本海ができ、今の日本列島になるまでの時期で、秋田県に膨大な利益をもたらした黒鉱(くろこう)(銅金銀を含み総採掘量は約1億5千万㌧)や石油など多くの地下資源が生まれた。
ナツメやカエデ、そして湯沢市院内に現存するメタセコイアの葉の化石が展示され、貝類に限らず植物にも興味がそそられる。
現在の地形の大部分は、『第四紀』(~現在)以降にできた。玉川温泉など県内に豊富にある温泉や、出羽富士と呼ばれる鳥海山などの火山もこの時代。湯沢市の皆瀬(みなせ)で発見されたナウマンゾウの歯の実物はリアルだ。
最後の「I LOVE崖」のコーナーが面白い。鳥海山は、ウミウとハヤブサの成育場所である崖も作り出した。
県南の東由利地域から訪れた夫婦は「(由利本荘市)矢島町の旧川辺分校の校庭裏の崖からデワクジラの化石が発見されたんだよ」と自慢げに話していた。全長約10㍍で、同館の自然展示室に常設展示されている。
同展は6月28日まで。月曜日休館。
(伊藤志郎、写真も)





