
2022年4月から大規模改修工事で休館していた東京・両国の「江戸東京博物館」がリニューアルオープンした。明治時代の銀座のランドマーク「服部時計店」を高さ約26㍍の原寸大で再現するなど、江戸と東京をよりリアルに体感するものになっている。
常設展示は6階が入り口となり5階へと続き、「江戸ゾーン」と「東京ゾーン」に分かれている。江戸ゾーンに入ってまず目にするのは日本橋。幅約8㍍の実物大で北側半分約25㍍を復元した。その橋を渡り暖簾(のれん)をくぐると、甲冑(かっちゅう)11領がずらりと並んでいる。外国人の入場者が熱心に見入っている。
「江戸城と町割り」では、武家と町人がどのように生活していたか、資料やパネル展示で分かりやすく解説されている。江戸名物の町火消しがどのように配置されていたかなど、竜吐水(りゅうどすい)と呼ばれる木製の消防ポンプなどと共に展示されている。町の様子をミニチュアで再現したものが面白いが、その中でも目を引いたのが越前福井藩の上屋敷の模型。桃山風の豪壮な建物で、漆塗りの二つの門の華麗さには驚かされる。明暦(めいれき)の大火で焼失したが、「江戸図屏風」などの史料を基に復元した。
1階に下りると、長屋の中を復元したセットなどで町人たちの生活を偲(しの)ぶことができる。江戸時代の代表的な歌舞伎の芝居小屋、中村座の正面部分も原寸大の間口11間(約20㍍)、奥行き3間(約5・5㍍)で復元。11月の顔(かお)見世(みせ)興行の華やかな様子を再現している。
体験型の展示も増えた。「大名の籠」のコーナーでは、美作国(みまさかのくに)津山藩主が大名行列で使った駕籠(かご)の複製が置かれ、中に入ることができる。ほかにも火消しの纏(まとい)を振ったり、前後に吊(つる)した桶(おけ)に魚を入れて売った棒手(ぼて)振(ふり)の道具を担げたりできるコーナーもある。子供たちがチャレンジし、記念写真を撮る姿が多く見られた。
東京ゾーンでは、江戸から東京へと移り、関東大震災や戦争の時代を経て、復興していった東京の歩みを辿(たど)るものとなっている。展示の新しい目玉は、明治27(1894)年に銀座4丁目の角地にあった旧朝野新聞社の建物に、巨大な時計塔を重ねる増改築を行った服部時計店の原寸大復元モデル。文明開化の時代の雰囲気を伝える建物だ。関東大震災で倒壊した浅草の凌雲(りょううん)閣(高さ67㍍)の10分の1縮尺模型、モダンな都市生活のシンボルだった「同潤会代官山アパートメント」は家具や生活用品なども当時の様子をリアルに再現している。
(特別編集委員・藤橋 進、写真も)






