トップ文化写真も含め生活史を解明 昆虫標本展/仙台市科学館 標本100箱、蝶とトンボを中心に

写真も含め生活史を解明 昆虫標本展/仙台市科学館 標本100箱、蝶とトンボを中心に

写真も含め生活史を解明 昆虫標本展/仙台市科学館 標本100箱、蝶とトンボを中心に
写真も含め生活史を解明 昆虫標本展/仙台市科学館 標本100箱、蝶とトンボを中心に

 日本には3万種を超す昆虫が生きているが、身近な昆虫でも意外と正体を知らないことが多い。日本の蝶(チョウ)とトンボを中心とした「昆虫標本展~昆虫の暮らしを探る 高橋雄一コレクション~」はその一助になりそうだ。25日まで仙台市科学館で開かれている。

 大きな標本箱が100個ほど並ぶ光景は圧巻だ。宮城県に生息する昆虫を主体に生活史全体を写真を交え解説する。

 標本の制作と展示協力は、宮城昆虫地理研究会の高橋雄一氏。同氏は小学校の元教諭で『仙台のこん虫』(宝文堂)や『仙台の自然』(共著、仙台市)など多くの著書を出し、昆虫だけでなく自然観察や森づくりにも携わってきた。

 そのため展示も詳細にわたる。蝶では一種ごとに成虫の標本、餌となる植物や卵、幼虫、サナギの写真を入れて全体像が分かるようにしている。飛び回る蝶々を目にするのは一時期だが、餌の葉っぱや幼虫の形を知ることでより関心が持てる。

 幼虫は植物の葉を食べて成長するが、アゲハの仲間はミカン科、モンシロチョウはアブラナ科の葉を食べる。また青紫色が美しく周囲が黒褐色で縁取られたムラサキシジミの場合はウラジロガシなどのカシ類とコナラなどブナ科植物を餌とし丘陵地や社寺林にいることが多い。

 オスとメスで色が違う種も多く、青紫色に白い斑点を持つ大型のオオムラサキは、メスの羽はこげ茶色だ。

 一方トンボでは、幼虫は種ごとに生息場所が異なり、川や池、沼、湖とさまざま。さらに平地や山地などに分かれる。

 絶滅しそうな種にも触れている。モートンイトトンボは四国、九州では稀(まれ)で、北海道では絶滅したと言われる。宮城県内では6月中旬から7月末まで観察できるが、用水路のコンクリート化や農薬などで減っている。

 ほかにオオカブト、ハンミョウ、カミキリムシ、コガネムシ、セミなどが並ぶ。嫌われ者のカメムシは、ミズカマキリやタガメも仲間とは驚き。テントウムシは162種類もいるという。

 変わったところでは、アリに育てられるシジミチョウ、アリの幼虫やサナギを食べて成長するオオゴマシジミなど不思議な世界も。蝶の羽の裏表を同時に展示する「裏表標本箱」も面白い。昆虫の奥深さが分かる展示である。

(伊藤志郎、写真も)

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