
紅葉の時期には特に賑(にぎ)わう厳美渓(げんびけい)近くの一関市博物館(岩手県)で、特別展「算額(さんがく)の世界」が開かれている。算額は日本で独自に発展した数学の解き方を絵馬にしたもので、一関市には全国一の数を誇る算額が現存している。
市内に現存する算額の大半は、一関藩の算術師範役・千葉胤秀やその門人が奉納したもので、今年は千葉の生誕250年に当たる。全国の事例も紹介されており、約100点に及ぶ展示では江戸のほか岡山、奈良、栃木、埼玉、福島など全国の算額や算術家の肖像、問題・解法を記した書籍が並んだ。このほか、立方体の数学模型やコンパス、そろばんなどの道具も展示。
同展期間中はさまざまな関連企画が予定。12日はシンポジウム「和算と数学の世界」、13日は算額見学会、11月15日には演奏会「音楽と数学の不思議な関係」が開かれる(一部は電話申込必要)。11月16日まで。





