秋田と山形の県境にそびえる鳥海(ちょうかい)山の麓、秋田県由利本荘市鳥海地域で400年にわたり伝承されてきた郷土の芸能を披露する「第52回鳥海獅子まつり」(主催・由利本荘市、本海獅子舞番楽伝承者協議会)が8月16日の夕方、鳥海健康広場屋外特設ステージで開かれた。地域の8団体と岩手から招待された1団体が獅子舞や武士舞などを演じた。
来年は、京都の本海坊が鳥海山に修行に来て獅子舞などを個々の集落に教えてから400年目の節目となり由利本荘市では力を入れている。
今回の17演目は、神(じん)舞、祓(はら)い獅子など獅子舞が基本だが鳥舞や御神楽などの式舞、そして武士舞の一つ信夫(しのぶ)のほか、「もちつき」「品ごき」の道化舞では観客から笑いも出て演目の多彩さを感じる。また特別出演の高屋敷神楽保存会(岩手県一戸町)は「権現舞」と「三本剣」を披露した。

出演団体の一つ、下直根(しもひたね)獅子舞番楽講中の副会長、新田豊治(とよはる)さん(77)によると、同集落では、元旦の幕開きに始まり、7月の虫追い、8月のお盆獅子、8月16日の今回のまつり、9月の秋まつり、12月上旬の幕納めと続く。今回は祭りのため演目に限りがあるが、各集落で行われる行事に参加してみると新しい発見があるかもしれない。新型コロナの影響は伝統行事にも及び、4年間は獅子舞が中止に。昨年から再開できたという。
しかしながら全般的に少子高齢化の波は進み、さらにダム建設のため二つの講中が活動休止となって、国指定重要無形民俗文化財である本海獅子舞番楽の継承団体は10年ほど前の13から実質9団体にまで減っている。ただ、その中でも小学校などとの取り組みで子供たちの参加が継続しており、鉦(かね)や笛に始まり舞い手になる子も。今回は、1人で踊る「剣(つるぎ)之舞」に猿倉(さるくら)講中の小学6年生が挑戦し、2本の刀を振る荒々しい舞を踊り切った。鉦の2人も少年で、笛の女性も若い。
また二階講中の「御堂入」は、新築や遷宮などお宮を造営した際の獅子舞で、子供2人が鉦を鳴らしている。
問い合わせは鳥海公民館、電話0184(57)2881。
(伊藤志郎、写真も)





