トップ文化武士の鑑と箱根信仰 箱根神社 居合道の剣士が演武を奉納

武士の鑑と箱根信仰 箱根神社 居合道の剣士が演武を奉納

曽我社拝殿

神奈川県箱根町の芦ノ湖のほとりに箱根神社がある。源頼朝の信仰と庇護(ひご)の中で「武家の守護神」とされ、関東総鎮守とたたえられてきた。宝物殿で特別企画展「武士の鑑と箱根信仰」が開催中だ。

箱根神社が信仰された大きな要因に、ここで祈願した、仇討(あだう)ちの嚆矢(こうし)「曽我兄弟の仇討ち」があった。仇討ちは家臣や近親者が当人に代わって武士としての尊厳や矜持(きょうじ)を守る手段とされた。命に代えて恩に報いたいという誠意から発し、忠孝を重んじた江戸時代、「武士の鑑(かがみ)」とされ、苦難や秘話が文芸、芸能、錦絵に表現された。

この特別企画展では曽我兄弟、赤穂義士、荒木又右衛門その他が、錦絵や古典籍で紹介されている。展示された宝物の太刀「微塵丸」と「薄緑丸」は鎌倉時代の名刀で、曽我兄弟が仇討ちで使用したもの。「微塵丸」はもと木曾義仲が所有し、「薄緑丸」はもと源義経が所有していたもので、源頼朝が奉納。ほれぼれする美しさだ。

境内には朱塗りの曽我神社拝殿がある。参道途中の西側で、東側には居合道場。ここで5月28日、居合道全国選抜八段戦箱根大会が開かれ、200余名の剣士が演武を奉納した。

 (増子耕一)

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