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鑓野目久米蔵コレクション 秋田県立博物館

鑓野目久米蔵コレクション/秋田県立博物館

個人収集の縄文土器を展示

子供の頃、生家の畑から土器や石器を見つけたのがきっかけで、約70年にわたり考古学に情熱を傾けた鑓野目(やりのめ)久米蔵氏のコレクションの一部が、秋田県立博物館(秋田市)の人文展示室で6月22日まで展示されている。

同氏は明治30年生まれで、自身が収集したコレクション792点を開館初期の博物館に寄贈。館内では骨角器(こっかくき)や石製玉類なども含めた貴重な品々を見学できるが、今回は特に藤株(ふじかぶ)遺跡での収集品に焦点を当て、縄文時代の石製万能ナイフや斧(おの)、弓矢の先に付けた矢尻、壺(つぼ)型と注ぎ口の付いた土器、土偶、土(ど)版(ばん)などを展示ケース越しに見ることができる。

同氏は現在の秋田市仁井田(にいだ)生まれ。生家の畑は後に地方(じかた)遺跡と呼ばれる。30歳すぎから専門誌を購読して考古学を本格的に研究し、県内100カ所以上の遺跡を訪ねている。秋田考古学協会の発展にも寄与した。

なお藤株遺跡は、世界遺産となった、北秋田市の伊勢堂岱(いせどうたい)遺跡の近くにあり、県北部の重要な縄文遺跡の一つ。10万平方㍍とされる広大な遺跡のうち発掘されたのはまだ2割だが、すでに竪穴式住居跡43棟、復元可能な土器200個、1万点を超える石器のほか、火葬された人骨も見つかっている。

 (伊藤志郎)

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