トップ文化 縄文遺物を”再発見”/秋田県立近代美術館

 縄文遺物を”再発見”/秋田県立近代美術館

安産の祈り、黒白赤の意味

土偶や土器など縄文時代の遺物と近代絵画に美術学芸員が新鮮な視点で光を当てる企画展「コレクションミーツ(出会い)」が秋田県横手市の秋田県立近代美術館で開かれている。

秋田県埋蔵文化財センター所蔵のアートな遺物約50点と、同館所蔵のコレクション35点を併設。「制作された時代も空間も異なる存在に触発された作品たちは、新たな言葉を語ってくれるかもしれません」とは同館の開催趣旨。

先日行われたギャラリートークで同館の女性担当学芸員は、胸がすごく大きい女性像には、母乳の大事さへの願いが込められているという。「今はミルクがあるが、当時は母乳はとても大切だった。母乳がよく出るようにと、お守りのような存在ではなかったのか」

また「土器は独創的に作っていると思っていたが、しっかりとした規制があることに驚いた」という。能代市二(ふた)ツ井(い)の茱萸ノ木(ぐみのき)遺跡から発掘された縄文時代中期中葉(約4500年前)の土器では、北緯40度を境に様式が違う。

一方、黒・赤・白の色にも着目。縄文時代は「再生」の願いを込めたとされ、ベンガラを混ぜた赤漆が使われた。現代の美術作品でも赤は女性や太陽の炎で使われる。

白と赤の渦巻きにも注目。「赤は出産時の血の色、白は母乳の色との説がある。渦巻きは自然の至る所に現れている。現代の作品でも大いなる宇宙や普遍的なものを描いているのではないか」と観客に問い掛けた。

(文・伊藤志郎)

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