
歌人の斎藤茂吉と交流のあった人たちとのつながりを伝える特別展「茂吉とめぐり逢う人たち影響を受け、与えた人」が、山形県上山市にある斎藤茂吉記念館で開かれている。
この特別展では、芥川龍之介や北原白秋、森鴎外など茂吉と親しい関係にあった文人や歌人などの歌が書かれた色紙や短冊、やりとりを示すはがきや掛け軸など約50点の資料が展示されている。
現上山市の守谷家三男として生まれた茂吉は、東京で医院を営む同郷の精神科医、斎藤家に婿養子に入り、医師を生業(なりわい)としつつも生涯に1万7000余の短歌を発表、17冊の歌集を残した。明治・大正・昭和を生きて生前から今に至るまで、その作品を通して多くの歌人たちに影響を与えている。常設展では茂吉が亡くなったその夜にとられたデスマスクや、茂吉が亡くなる前年に作られた直筆の絶筆短冊なども展示されている。
施設内には茂吉の晩年の居室が再現され、敷地内には茂吉が利用していた神奈川県箱根町強羅(ごうら)の山荘が移築・保存されている。
会期は3月31日まで。入館料は大人600円、学生300円、小人100円。特別展チラシ持参の小・中・高校生は入館料が無料となる。
(長野康彦)