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人生を変えたダライ・ラマ14世との出会い


 広島大学准教授の田北冬子さんは、ノーベル平和賞受賞者で、世界的に著名な仏教指導者、ダライ・ラマ14世の通訳がきっかけでチベット仏教徒になり、やがてラージャ・ヨガに魅了され、現在はラージャ・ヨガ瞑想フレンズオブ広島代表の立場にある。田北さんに、人生の転機となった出会いについて聞いた。

(聞き手・青島孝志)


広島大学准教授の田北冬子さん、チベット仏教徒に

人生を変えたダライ・ラマ14世との出会い

たきた・ふゆこ 専攻は、社会言語学・異文化コミュニケーション。ハワイ州シャミナード大学でMBA、バーミングハム大学で英語教育学修士取得。ラージャ・ヨガ瞑想フレンズオブ広島代表。広島インナーナショナルスクール理事。

 2006年11月、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王と、2人のノーベル平和賞受賞者が広島に来られた際、青年会議所から、通訳とアテンドを頼まれました。

 一人は、ネルソン・マンデラ氏と、アパルトヘイト政策を打破された南アフリカの聖公会牧師、デズモンド・ツツ氏。

 もう一人は1976年、北アイルランド紛争で3人の子供が犠牲になる事件を目の当たりにして、大きな広がりのある平和運動を起こされたベティ・ウィリアムズさん。

 舞台裏でダライ・ラマ師と、デズモンド・ツツ氏がイヤホンのつけ方がどうだとかまるで子供のように振る舞うお姿を身近に拝見。その後、広島の宮島大聖院で説法が7日間あり、ダライ・ラマ師の高貴なる人格とその深き教えに感銘を受けました。

 15年間、ハワイにいた自分は、スピリチュアルな世界に興味を持っており、法王にお会いしてから、チベットの僧侶がお勤めを毎日されていた広島市内の修業所に、2006年12月から10年ほど週に2回通いました。

 説法を受けたり、チベット仏教のお経を唱えたり。そこで欲望、怒り、嫉妬など自分の煩悩から離れて、己の心をよく観察することを学び、随分と心が軽くなりました。

 真実を知ることを通じて、無明(むみょう)から光の世界に入っていく――。これが、チベット仏教の素晴らしい世界です。

ラージャ・ヨガで「魂の筋肉」強く、世界平和へ奉仕活動

人生を変えたダライ・ラマ14世との出会い

ダライ・ラマ14世と田北冬子さん

 そして2015年、バリ島の大自然の中で、現地の方と修行をする機会がありました。滝に打たれ、歌い、踊りを通じて、心が洗浄されました。

 現地では、神をパラマ・アトマー(至高の魂)と呼びますが、その神様と融合することを、ヨーガと言います。瞑想(めいそう)を通じて、これを体験できれば、まさに至福の愛の世界なのです。

 一般的に言われるヨガとは次元が違います。こうした体験を経て、自分はラージャ・ヨガと出合いました。

 ラージャとはサンスクリット語で王の意味です。心は自分自身を統制する王のような存在であることからこの名前が付けられました。ラージャ・ヨガは瞑想を通じて、よりよい人生を生きる力を与えてくれます。

 すなわち、①内なる力を取り戻す②真実の自己を内側に確立することで、自己を失わずに外側と交流できる③自分の良いところに焦点を合わせ長所を伸ばせる④突然の変化にも自在に対応でき、逆境にも負けない――などの効果があります。

 どちらかといえば、感情の起伏の激しかった自分が人の言動に一喜一憂しなくなりました。落ち込まず、うぬぼれず。ラージャ・ヨガのおかげで、「魂の筋肉」が強くなったのでしょう。その土台の上に、世界平和実現への奉仕活動という最終目標に少しでも関与していきたいと願う日々です。


略歴

たきた・ふゆこ

 専攻は、社会言語学・異文化コミュニケーション。ハワイ州シャミナード大学でMBA、バーミングハム大学で英語教育学修士取得。ラージャ・ヨガ瞑想フレンズオブ広島代表。広島インナーナショナルスクール理事。