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犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする…


 犯罪容疑者の中国本土引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案をめぐり始まった香港の民主化を求める抗議デモ。10週間以上にわたるが、鎮静化の兆しは見えていない。

 複数の地域のデモ参加者には若者の多さが目立つ。インターネットを介して拡大しているデモのあり方は、2014年に起こった雨傘運動の時の経験を生かしているようだ。当局は抗議行動の先行きを見通せず、押さえ込むのは容易でない。

 一方、香港警察は、デモ参加者を装った警察官を動員し対立をあおるなど、取り締まりに行き詰まり感が如実だ。中国政府の香港の出先機関は声明で、デモ参加者を「過激な暴力集団」とし、隣接する深●市に軍事車両とみられる数十台の車両を集結させている。

 この急迫した情勢に、米下院の外交委員が共同声明を発表し、中国が「平和的な抗議行動を暴力で押さえつける」可能性に懸念を表明した。しかし、日本はこの事態に目をつぶっている。自由と民主主義を掲げ国際社会の有力なリーダーを目指すのに、どっちつかずでは安全で繁栄する国として生き残れない。

 元防衛庁長官の愛知和男さんは著書『次世代の日本へ』の中で「日本人にとって大切なことの一つは、一人ひとりが豊かさを自覚し、自分よりも豊かでない人々の存在に気付」き、彼らの国造りを手助けすることだという。

 自由を享受する日本の若者たちこそ、香港での自由の戦いに強いエールを送ってほしい。

●=土ヘンに川