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東京・東池袋で87歳男性が運転する車が暴走…


 東京・東池袋で87歳男性が運転する車が暴走して、若い母親と幼い娘が死亡、10人が重軽傷を負った4月の悲惨な事故は記憶に新しい。一瞬の事故で妻と愛児を失った遺族の男性は、深い悲しみのどん底に突き落とされたようであろう。家族で過ごした平凡な日常を奪われ、一変させられたのだ。

 この事故の不条理な印象が強かったせいもあろう。今年上半期(1~6月)の全国の交通事故の死者数が1418人で、記録が残る1956年以降で最も少ない、と聞いても違和感を拭えない。

 とはいえ、年間死者数が戦後最少の3532人を記録した昨年同期に比べて185人(11・5%)もの減少である。毎月10%以上の減少を積み重ね、今年も戦後最少を更新するペースで推移している。

 高齢ドライバー(75歳以上)による死亡事故の方も172件で、昨年同期より50件(22・5%)少なく、過去10年間の最少を記録した。

 それでも、免許人口の10万人当たり3・1件で、これは75歳未満の1・4件の2倍超。原因別では冒頭の事故のようなブレーキとアクセルの踏み間違いなどの「操作ミス」が33・6%で最も多かった。

 「交通安全白書」(2019年版)では、高齢者の交通安全について「自動運転技術など新たな技術を的確に交通安全に生かしていく必要」を強調する。自動ブレーキ機能などを搭載した「安全運転サポート車」限定の運転免許の導入など新技術にかかる期待が大きいのだ。