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最大震度6強を観測した新潟・山形地震は、…


 最大震度6強を観測した新潟・山形地震は、日本酒や温泉といった山形県庄内地方を代表する観光資源にも打撃を与えた。特に温泉は、風評被害に非常に弱い。

 大型旅館や保養所など宿泊施設が温海(あつみ)川沿いを中心に立ち並ぶ山形県鶴岡市のあつみ温泉街では、温泉が一時、供給されなくなったが、現在はそれも回復した。しかし客のキャンセルは続き、お盆あたりまでの予約の分にも既に影響が出ているという。

 あつみ観光協会の担当者は「温泉の配管が傷んだ以外に大きな被害の報告はないが、風評被害を懸念している」とため息をつく。地域おこしが課題の中、突然襲った地震の影響による地元の苦境が手に取るように分かる。

 2011年3月の東日本大震災発生後、東北各地の農・水産業は風評被害に苦しめられた。福島県二本松市の中山間地、東和地区で有機農産物を栽培、販売する農家の団体は、都下への販路が閉ざされたため、細々と地元での流通に頼った。

 昨年その地を訪ねたが、農家の結束は固く、地元産の果物を使ったぶどう酒の新規生産を行って実績作りに励んだことを聞いた。それでも、大手スーパーの引きがあるまで5年ほどの期間を要した。

 わが国の歴史は自然災害の連続だった。そのため、被災地の財産や資源が失われたりした。だが、それを克服し、地域の文化と繁栄を築いてきた。あつみ温泉街も正念場だが、「雨降って地固まる」といきたい。