世界日報 Web版

高齢化が急速に進む日本を反映しているとは…


 高齢化が急速に進む日本を反映しているとはいえ、80歳を過ぎた高齢者らが今も活動の前線に立って訴えなければならないのは何とも痛ましい。北朝鮮による拉致被害者家族会や支援団体「救う会」などが都内で開いた「国民大集会」のことである。

 被害者の田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(80)は、体調を崩して集会出席を見合わせた。この種の大会を欠席するのは初めてのことと無念を伝えた。

 代わりにあいさつした事務局長で横田めぐみさん=同(13)=の弟拓也さん(50)は「父も入院中で、残された時間がないことを痛感する。全被害者一括帰国を求め強い交渉をしてほしい」と求めた。

 父の滋さん(86)は昨年に続いて欠席したが、母早紀江さん(83)が大集会に先立って、平成9年以降に全国から集めた署名が入った段ボール箱の山の前であいさつ。「暑い中、寒い中、多くの人が尽力くださり、大きな力になった」ことに深い感謝を。

 政府が保管する箱は400箱以上で、署名は1341万筆以上に及ぶ。田口さんの長男飯塚耕一郎さん(42)は「国民の1割にも上る数でまさに民意だ。金正恩委員長はこの数を感じ、決断してほしい」と訴えている。

 集会で安倍晋三首相は「私もあらゆるチャンスを逃さず果断に行動していく」と、改めて日朝首脳会談実現への強い意欲を語った。これを後押しするのは、被害者帰国を求める国民の強い意思表示である。