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導入から21日で10年を迎える裁判員裁判に…


 導入から21日で10年を迎える裁判員裁判について、小紙社会面で振り返っている。記事によると、これまでに37件の死刑判決が言い渡されたが、うち5件を職業裁判官だけで審理する二審が破棄し、無期懲役になった。

 このうち、12年に男女2人が刺殺された通り魔事件の裁判員を務めた男性が取材に応じ、二審の裁判長の「計画性は低く、被害者は2人にとどまる」という判断に「死刑を選択した一審判決が『安易な民意だった』と思われるのが悔しい」と話している。

 三審制なので、もちろんこういう公判例に違和感があるわけではないが、この男性の話していることは理解できる。裁判員裁判は、今世紀初頭の司法改革で導入が決定されたが、当時は「庶民の正義を実現する」と盛んにPRされた。

 一方、裁判のことはプロの裁判官に任せておけばいいという国民の意識も強かった。ただ2000年当時、裁判官の詐欺まがいの不祥事や不倫騒動が続き、法曹界は威信失墜。裁判員制度導入で、その回復を急いだ経緯がある。

 この10年を見ると、裁判員を前面に押し出し、二審となればプロの裁判官が一審の子細を検証して判断を下すというパターンが定着し、確かに法曹界のメンツは立ったが、これで良いのか。

 最高裁によると、選任手続きに呼び出された裁判員候補者の出席率は、09年の制度開始時は83・9%だったが、16年は64・8%に落ち込んだ。国民には不人気なのだ。