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ゴールデンウイークは、まさに若葉の季節…


 ゴールデンウイークは、まさに若葉の季節。山でも海でも、若々しく繁る若葉がまぶしいほど。その薄緑色の葉を見ていると、心も自然に弾んでくる。

 俳句の歳時記でも、4月の下旬の項目には、「若葉」がついた季語が多く出て来る。「蔦(つた)若葉」「萩(はぎ)若葉」「草若葉」「葎(むぐら)若葉」「菊若葉」などが並ぶ。この中でも、「葎若葉」は稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』によれば、「昔は葎といえば、金葎(かなむぐら)(クワ科)のみを指したといわれるが、いまは八重葎を含めていっている。木や籬に蔓を伸ばし、繁茂してなだらかな藪を作る」とある。

 他のデジタル辞書などで調べると、要するに「雑草」ということになるようだ。かつて昭和天皇が、「雑草という名の草はない」と言われたことを思い出す。

 若葉の中でも、今ではなかなか見ることができなくなったのが、桑の若葉ではないか。田舎の村では蚕を飼うために、そのエサとなる桑の木が広々と畑一面に植えられていた。

 しかも、その桑の木が背が低く、整然と並んでいたので、特に印象的だった。桑の木が低木なのは、高くならないようにした剪定(せんてい)の結果だったことを最近まで、知らなかった。

 季語の「桑」によれば、「養蚕用の桑畑の桑は低く仕立てるが、山野に自生する桑は丈が高く」(『ホトトギス新歳時記』)とあるので、人工的な風景だったわけだ。若葉の繁った桑が爽やかな風に吹かれていた風景は今でも鮮やかに覚えている。