世界日報 Web版

我々の住む宇宙はいつ始まっていつ終わるのか…


 我々の住む宇宙はいつ始まっていつ終わるのか。それとも、宇宙には始まりも終わりもないのか。だが、宇宙が137億年ほど前、ビッグバンによって始まったという説は、大方の支持を得ているようだ。

 が、ビッグバン以前はどうだったのか、と思う人もいるだろう。最近刊行された宇宙物理学者ローレンス・クラウス著『宇宙が始まる前には何があったのか?』(青木薫訳。文藝春秋)という本では、「量子のゆらぎ」がそもそもの始まりだった、という説が紹介されている。

 哲学上の絶対的な「無」は存在しない。真空といえどもエネルギーはある。エネルギーは物質に変換される可能性があるが、量子のゆらぎによる変換運動がほとんど無限回繰り返された中で、ごくまれに、宇宙の種のようなものが生まれる。

 その種が、インフレーションと呼ばれる急激な膨張を経て、ビッグバンの大爆発を起こした。その137億年後の姿が現在の宇宙だ、というのが氏の説だ。

 現在も宇宙は膨張し続けている。宇宙の彼方に光も届かないほど拡大してしまえば、遠い宇宙は見えなくなる。何かの具合で膨張が終われば、宇宙はいずれ一点に収縮して、宇宙生誕以前の姿に戻る。再びビッグバンが起こる可能性もある。

 雄大すぎる話だ。いずれにせよ、我々の生活とは関係がない。だが現代の宇宙物理学の世界では、そんな話になっているようなのだ。