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登山に年齢の制限はないと言われる。事実…


 登山に年齢の制限はないと言われる。事実、老いても盛んに登山活動を続けた人たちがいる。自分の年齢や体力に見合った山を探し、その山にふさわしい登り方をすることでそれが可能となる。

 生物学者の今西錦司が500山の登頂を達成したのは1968年で、66歳だった。その17年後、83歳の時には1500山を達成。この時登ったのは奈良県の白髭岳1378㍍だった。その後の2年間でさらに52山増える。

 健康で丈夫な体を維持し、無理のない計画で、四季を問わず、地元の人たちと大自然を眺める楽しみを続けた。最後の登山は兵庫県の高丸山366㍍。里山とはいえ12月20日のことで冬だった。

 こうした楽しい登山を続けられたのは、山と自分を深く知っていたからだ。9月から10月にかけて山々は紅葉して秋山シーズンを迎えるが、富山県警などでは「夏と違った恐ろしさがあり」「無理のない登山計画を」と呼び掛けている。

 警察庁によると、今年7月から8月にかけての山岳遭難件数は721件で遭難者数793人。統計が残る1968年以降最多となった。昨年起きた山岳遭難は2583件で遭難者数は3111人。これも最多を更新した。

 約半数は60代以上で、中高年登山者の事故が増加し続けている。多くは訓練や教育を受ける機会が少なく、未熟な技術、無理な計画が原因で起きている。老化による体のトラブルも大きな要因で、山と自分についての無知の克服が重要なのだ。