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「打水や萩より落ちし子かまきり」(高野素十)…


 「打水や萩より落ちし子かまきり」(高野素十)。暑い日が続く。窓を開けると熱気が部屋に入り込む。クーラーをつけっぱなしにしているため、体温調整がうまくいかないようで、外に出ると少しめまいがする。汗が噴き出し、歩くのがつらいほど。

 真昼に出掛けると、あまり人の姿が見えない。暑いので駅までの距離が少し遠く感じられる。そんな時、花屋で打ち水をしているのを見掛けた。

 今年の夏の暑さは異常だが、それでもクーラーや扇風機などでしのぐことができる。しかし、そんな便利なものがなかった時代は、暑さに対抗し、さまざまな工夫をしてきた。打ち水もその一つであるが、ほかにも風鈴の音を聞いて涼を感じるという方法もある。

 打ち水は蒸発によって気温が下がるが、風鈴の方は実際に気温は変わらないはず。それでも、その音を聞くと少し涼しく感じるのは、音を通して風が吹いていることが分かるからだろう。

 江戸時代には、こうした暑さ対策で生活を快適なものにしようと努力した。クーラーをかけて部屋に閉じこもっているだけの現代の生活と比べると豊かな情緒が感じられる。

 27日付小紙に、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、現在のレベルで温室効果ガスの排出が続けば、世界の平均気温は2040年に産業革命前と比べて1・5度上昇するとの予測を出す方向で検討しているという記事があった。これ以上暑くなればどうなるのか心配だ。