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神奈川県箱根町仙石原にある大涌谷は、荒涼と…


 神奈川県箱根町仙石原にある大涌谷は、荒涼とした山肌から白煙を上げている箱根のシンボルで、人気のスポット。名物は地熱と火山ガスの化学反応を応用して作られる黒い温泉卵だ。

 ここを訪れたのは十数年も前になる。2015年5月、火山活動の活性化で立ち入り禁止となり、その規制が解除されたのは16年7月。今では箱根ロープウェイも全線で運行されている。

 火山活動でどう変化したのか知りたくて、大涌谷を先日訪れた。すぐ目に付いた変化は、観光客がたどるコースである。規制以前、人々の列は1本で、南の冠ヶ岳中腹にある玉子茶屋に向かっていた。

 だが、そのルートは閉鎖中のため、茶屋へは行くことができず、温泉卵も食べることができなかった。その代わりに東の谷、硫黄で黄色く染まり、火山ガスが噴き出している大涌谷へと関心が移る。

 すごい景観だ。「大涌谷くろたまご館」からロープウェイ駅「大涌谷」への短い道だが、上から谷を見下ろすと、地滑りを防止するためのアンカー工法による土留めの跡が幾筋も見える。ここから温泉を仙石原や強羅へ供給しているそうだ。

 くろたまご館の中に開館5年目の「箱根ジオミュージアム」がある。興味を引いたのは温泉を作る仕組みを示した模型。大涌谷では湯量が少ない一方、火山性蒸気は豊富だ。そこで麓の池からくみ上げた水と蒸気を混ぜて造成塔で温泉を作っている。が、卵が黒くなる謎は未解明だという。