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団地の管理組合から人事に関する文書が回って…


 団地の管理組合から人事に関する文書が回ってきた。新役員の名前は「ワタナベ」という。「渡」はともかく「ナベ」の字が恐ろしく難解だ。文書はパソコンで書かれていたが、パソコンでは表記できなかったらしく、「ナベ」は手書きの丁寧な文字で書かれていた。

 難解な「ナベ」が何通りも存在するのは、役所の担当者が書き間違えたためと言われる。手書き時代の話だ。

 名前は自分のためというよりは他人に対してのものだろうから、「ナベ」は「辺」に統一すればと思うのだが、中には難字にこだわる人もいるのだろう。

 気流子の場合は「ナベ」ではないが、名字の1字に読むことが困難な文字が使われていたので、家庭裁判所に出向いて判断を示してもらった上で、市役所で文字を一般的なものに変えてもらった。

 手続きは予想以上に簡単だった。役所や病院などで「読めない」と言われることもあった名字だが、その後間違われることはなくなった。難字を敢(あ)えて使わなければならない理不尽からも解放された。

 「ナベ」と同様、「サイ藤」の「サイ」にも非常に難解なものがある。もちろん「名前は命」との考え方もあるだろうし、「パソコンにも載っていないような難字の極みが自慢」とか「代々伝わってきたものだから」と考える人もあるだろうから、そこのところは「個人の自由」だ。それでも自分の体験からすれば「分かりにくい」ものよりは「分かりやすい」方がいい。