世界日報 Web版

「今季は勝てると思っていなかったので、…


 「今季は勝てると思っていなかったので、びっくりしている。すごくうれしい。支えてくれた人に少し恩返しができたかな」。スキーW杯ジャンプ女子で高梨沙羅がオーベルストドルフ(独)の個人第14戦で今季初勝利を挙げ、男女を通じ歴代単独最多の54勝目となる快挙。

 続く今季最終の第15戦も制し、勝利数を55に伸ばした。昨季は2季連続で4度目の総合優勝だったが、今季は海外勢の目覚ましい成長の前に14戦連続で優勝を阻まれてきた。

 体格で海外勢に劣る高梨は助走速度を得にくい不利に苦しみながら、踏み切りから空中姿勢へのスムーズな移行など技術の工夫でカバーしてきた。最終盤での2連覇が、トンネルから抜け出す復活ののろしとなるよう来季に期待をかけたい。

 大相撲春場所で8場所ぶり4度目の賜杯(13勝2敗)に輝いた鶴竜も、長いトンネルから抜け出して面目を施した。一昨年の九州場所で優勝した後、昨年はけがに苦しみ、進退問題が出るまでに追い込まれた。

 両足首などのけが続きで年6場所のうち15日間皆勤は1場所だけ。今年初場所は終盤の息切れで11勝に終わった。今場所は右手薬指脱臼を抱え休場もあり得た。

 それでも他の2横綱の休場で横綱不在の場所になるところを強行出場し結果を出した。「みんな一生懸命支えてくれた。喜ばせたい気持ちが強かった」と。トンネルの出口で、高梨は恩返し、鶴竜は感謝を語ったのである。