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20歳の成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案…


 20歳の成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案が国会に提出され、政府は2022年4月1日の施行を目指すという。

 法制審議会は、法整備の条件として消費者被害防止や若者の自立支援の環境整備などを提案している。18歳は高校卒業という人生の区切りで、高校教育の在り方が問われる。

 長年、公立高校の教諭を務めた喜入克さんは高校教育について「誰もが反対できないシンプルな価値を語っていく、ということが大切」(『高校の現実』)と言う。その実践例として、NHK大河ドラマ「西郷どん」にも出てくる薩摩藩の「郷中教育」を挙げている。

 下級武士たちのための教育機関で「負けるな」「うそをつくな」「弱い者をいじめるな」などを教え実践させる。維新の志士たちはこれらの教えを元に、日本の近代化を担っていった。

 大学受験を控える現代高校生に何を今さら……と思う人がいるかもしれないが、喜入さんは「自分でもよく分からないうちに、ある時にふっと分かるようになる。(中略)本当の意味で学ぶということは、そういうプロセスをたどることである」(同)と。道徳の理解には、それ相応の知能と経験、それを学ぶ適当な時期が求められるわけだ。

 わが国は事実上の「高校全入」を実現しており、高校では能力や適性に合った多様な教育課程導入の取り組みを展開してきた。若者を責任ある大人にしていくとはどういうことか。高校教育の一層の向上が必要だ。