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英国は慈善事業やボランティア活動の盛んな…


 英国は慈善事業やボランティア活動の盛んな国である。年間を通して、さまざまなボランティア団体が活動しているが、特にクリスマスシーズンともなると、幾つもの団体が街角に繰り出して募金活動を展開する。

 大きな災害などが起き緊急支援が必要な時は、新聞広告で募金を呼び掛ける。大きなスーパーの駐車場の片隅には、古着の回収用ボックスが置かれているが、小さなコンテナほどの大きさがある。

 オックスファムは、そんな英国を代表するボランティア団体。1942年に創設され、95年には各国のNGOが集まりオックスファム・インターナショナルが設立された。この歴史ある団体が「創設以来最大の危機」(ガーディアン紙)に直面している。

 2010年のハイチ大地震の際、復興支援活動で派遣された男性職員が、未成年の少女らを宿舎に呼んで買春していたことが明らかになったのだ。組織的な事実の隠蔽(いんぺい)や他の疑惑も浮上。英政府が新たな資金拠出の停止を決め、定期的な寄付を取りやめる個人や企業が続出しているという。

 もちろん問題を起こしたのは一部職員で、大半は善意の人々だ。しかし「人道主義者の仮面を被(かぶ)った狼(おおかみ)」の批判は俗耳に入りやすい。

 もう20年も前になるが、ロンドンにあるオックスファムの事務所を取材したことがある。途上国に贈る古着の仕分け作業を、職員たちが黙々と行っていた。その姿を思い出すと、残念な、やりきれない気持ちになる。