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人工知能(AI)と言えば、以前は数理解析の…


 人工知能(AI)と言えば、以前は数理解析のコンピューターが頭に浮かんだが、今は画像処理・解析技術が主役の座に。中でも「深層学習」(ディープラーニング)がその中心的な技術だ。

 すでに医療分野でも利用され、がんの早期発見に力を発揮し、従来、医師の目視による画像診断では見つけ出せなかったがんの微細な兆候を検出できるようになった。こうした治療の普及が期待される。

 また顔認証システムへの応用範囲も幅広く、社会の多くの機関で利用され始めた。人の顔の特徴は微妙で、かつてはAIをもってしても、各人を区別して同一性を認識することはたやすくなかった。しかし、自ら学習し分析する深層学習によってそれが可能になってきた。

 2月11日付小紙には、顔認証のための画像診断技術を連動させた高性能のメガネ型情報端末を、路上で使用する中国の女性警察官の写真が出ている。

 中国当局は、大規模な監視ネットワークの構築を進めており、顔認証の技術を駆使して、その情報集めに躍起になっている。イスラム教徒の少数民族が多い新疆ウイグル自治区では、住民の顔写真や指紋、虹彩を含む情報の採取も行われ、住民の監視に利用されているとみられる。

 “諸刃(もろは)の剣”と言われる科学技術の発展は、時に世の中を一変させるほどの力を持つ。今日のAIの驚異的な展開を思うと、それを利用する国家や機関、人間の倫理、目的が厳しく問われる。その影響の大きさは計り知れない。