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大きなハンディキャップを負いながら、それを…


 大きなハンディキャップを負いながら、それを逆方向に転換させて生きている人たちがいる。その生き生きした姿を見ると、精神の偉大さというものをつくづく感じさせられる。

 一人はスリランカのシンハラ民族の血を引くドイツ人、サリヤ・カハヴァッテさん。15歳のころ、視力の95%を失ったが、高校卒業後、ホテルで見習いとして働き、盲目であることを隠してキャリアを積んだ。

 現在、ハンブルクに住み、故郷の「アーユルヴェーダ料理」に情熱を注ぎ、ビジネスコーチとしても活躍している。上映中の映画「5パーセントの奇跡」は、彼の実人生をもとに製作された作品。

 視覚の代わりに他の感覚器官でスキルを磨くさまはスリリングだ。「幸福への道はない。道そのものが幸福なのだ」というブッダの言葉が出てくる。祖母伝授の彼の料理は、仏教徒としての修行が背景になっている。

 もう一人は写真家の片山真理さん。現在、東京都写真美術館で開催中の「無垢と経験の写真」に新進作家の一人として出品している。作品は自分を素材にしたセルフポートレートだ。9歳の時、先天性四肢疾患のため両足を切断し、以来義肢の生活。

 母親の指導で裁縫に親しみ、高校生の時アーティストを志し、ポートレートは東京藝大の修士課程修了制作から。さまざまな仕掛けの中に表現するのは自らの生き方。昨年第1子を出産し、その美しさを「ずっとずっと覚えていたい」と語る。強い意志の賜物だ。