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JR西日本が東海道・山陽新幹線の「のぞみ」…


 JR西日本が東海道・山陽新幹線の「のぞみ」で台車に亀裂が入ったまま運行を続けたトラブルを受け、JR西担当者が「非破壊検査の対象拡充を検討する」という趣旨の発言をしている。

 「非破壊検査」は、文字通り対象を破壊することなく構造物の有害なきずを検出する技術のこと。対象内へ放射線や超音波などを入射して、内部きずを検出する。その検査対象の範囲を広げるというのだ。

 今日、この非破壊検査はハード面だけでなく、産業・輸送施設全般の品質や安全性の確保のためにも用いられている。「QC(品質管理)とともにあるのが非破壊検査技術」という位置付けだ。

 高度な技術が集積する新幹線の車体や運行システムについても同様だ。今回トラブルを起こした台車を中心に検査範囲を広げることも大切だが、台車の素材、構造などの面で不都合はなかったのかを総合的に検証する必要も出てこよう。

 「大事故につながるのは連鎖的に事故が発生する場合である。安全性を疎外する要因の連鎖を断ち切ることができれば、トラブルが発生した場合にも大事故を回避することができる確率は高い」(航空政策研究会編『現代の航空輸送』)とは今日、航空機事故を防ぐフェールセーフの根幹にある考え方だ。

 これを地上の乗り物にも徹底させるべきだ。非破壊検査は、安全確保の一つの手段。職員らに安全意識を徹底させて初めて非破壊検査も生きるということである。