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「街といふ街行けばクリスマスカロル」(今井…


 「街といふ街行けばクリスマスカロル」(今井千鶴子)。きょうはクリスマス・イブ。毎年この時期はクリスマス・ソングが街を埋め尽くす。そのお祭り騒ぎと歳末の商戦が年の瀬を強く意識させる時期でもある。

 ところが、それが過ぎると、街は急に様変わりして静かな風景を呈するようになる。この落差は不思議な印象を与える。

 クリスマスには、気流子もいろいろな思い出がある。それは家族が一緒に過ごしたからだろう。何しろこの日ばかりは、ちょっと豪華なケーキがテーブルを飾り、よほどのことがない限り家族そろって迎えたからである。

 「人と幸比較はすまじクリスマス」(嶋田摩耶子)。どこかクリスマスに幸福なイメージがあるのは、こうした家族との触れ合いやその記憶によるものだろう。しかし、若い世代にとっては家族そろって祝うというよりも恋人と過ごす特別な日のようだ。

 誰かと一緒に物を食べるというのは、親密さが増す作用をもたらす。「同じ釜の飯を食った仲」という言葉もある。昔は3世代家族など大家族が少なくなかったので、祖父母と一緒に食事をするのがごく当たり前だった。それが核家族化し、さらに食事をそれぞれで食べる家族も珍しくない。

 「クリスマスとは静けさの中にこそ」(稲畑汀子)。1年に1度のクリスマスは、家族や知人友人と共に祝うイベントとして楽しみたい。家族や友人との絆の深まりは、人生を豊かにするに違いない。