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秋も深まり、昨日から読書週間。東京名物の…


 秋も深まり、昨日から読書週間。東京名物の神田古本まつりも始まった。今年の読書界の最大の話題はと言えば、中公新書の呉座勇一著「応仁の乱」だろう。

 発売は昨年の10月だが、じわじわと売れ続け、この秋にはとうとう40万部を突破した。新書の40万部は最近特に珍しいことではない。しかし、同書のようなアカデミックで地味な本がベストセラーになったことには、著者自身が驚いている。

 もっとも気流子もそうだが、学校の授業で習った応仁の乱について、なぜ11年間も続いたのか、どうもよく分からないと思っていた人が多いのではないだろうか。

 しかも戦国時代を生み、日本史の転換点となるような重大な事件だったとあればなおさら気にかかる。そんな事件について最新の研究を踏まえて書かれた本でベストセラーであれば、読んでみたいと思う読書家は少なくないだろう。

 同書はこの時代を生きた興福寺の2人の高僧の日記をもとに、乱の発端から終結までを詳細に描いている。その過程はあまりに複雑だ。しかし、それでも応仁の乱がさまざまな理由によって11年間も続いてしまったということは分かるのである。

 本書を読んで感心させられるのは、史料を丹念に読み込んでいく歴史家の地道な作業である。同書は「史観」やイデオロギーの誘惑を退け、歴史の真相に迫る実証主義的な研究の素晴らしさに、一般読者が触れる機会を提供しているとも言える。