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終戦記念日の15日は立秋(7日)と暑さが…


 終戦記念日の15日は立秋(7日)と暑さが止(や)むという処暑(23日)の中間にも当たる。これにお盆が加わって、国のために命を捧(ささ)げた人や先祖を供養する中で平和と命の尊さ、死と人のルーツについて自(おの)ずと思いが深まる時である。

 現世と来世が結ばれ、夏と秋が綱引きをする8月。古来の祖霊崇拝と仏教行事とが習合したお盆行事は、一般に13日夕に苧殻(おがら)や松明(たいまつ)を燃やす「迎え火」であの世から祖霊を迎えることから始まる。

 昨日と今日は家族と共に過ごす。苧殻の箸(はし)を添え食べ物や花を供えた「精霊棚」や「盆棚」に祖霊を祀(まつ)り、僧侶を招いて読経供養を行う。

 苧殻や松明は16日になるとまた燃やすが、今度は祖霊をあの世に見送る「送り火」である。京都の大文字焼きや五山送り火は、今や夏の風物詩としてよく知られている。精霊棚の供え物を川や海に流して祖霊を送る「精霊流し」をするところもある。

 月央のこの時季は夏から秋への端境期ともなる。<秋来ぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる>古今集・藤原敏行。すでに暦の上では秋でも、まだ居座る残暑の夏に音を上げる人もおられよう。平安の歌人のように風の中にかすかな秋を感じる人、夏の光の中にその衰えを見抜く人もおられよう。

 温暖化によるのか、このところ四季の中で冬と夏が長く、春と秋が短くなったと言われる。今年は爽やかな秋をしっかり過ごせるように祖霊に願いたい。