世界日報 Web版

「資源がそれほど減ったという認識はない…


 「資源がそれほど減ったという認識はない。縛りは受けたくないし、必要もない」――。8カ国・地域が参加して今月半ばに開かれた「北太平洋漁業委員会」で中国代表。

 2016年のサンマの漁獲量が約6万㌧と、12年の30倍に急拡大した中国の乱獲は目に余る。今回、日本が提案した国・地域別の漁獲枠導入に、中国は真っ向から反対、協議は決裂した。

 「公海上のサンマの乱獲に対し、なすすべを持っていない」と嘆く山本有二農林水産相。日本では漁獲量の減少でサンマの価格の高止まりが続いている。中国などの新参者に対し、国際的な規定枠を認めるよう、日本は強いリーダーシップを発揮する必要がある。

 わが国は四方を海に囲まれ、江戸時代より漁業秩序の維持に関しては厳しかった。沿岸の漁場は漁業権・入漁権制度によって乱獲が防止され、沖合さらに遠洋の漁場は漁業許可により調整されてきた。

 現行法も一言で言えば「漁場を誰に、どう使わせるか」を規定したもので、乱獲防止、水産資源保護には伝統と実績がある。公海や外国の領海での漁業規制にも十分、生かせるはずだ。

 もう一つの手は、日本の技術を生かしたサンマ養殖の可能性を前面に打ち出し、中国の譲歩を引き出せるよう国際会議の駆け引きの場に臨むことだ。サンマの養殖は今のところかなり困難だと言われるが、日本の技術力を踏まえれば、養殖のイノベーションは興味深く、実利のある研究対象である。