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「他の人より私は初恋に対する価値を高く…


 「他の人より私は初恋に対する価値を高く評価しているのかもしれません。恋に陥ることは何度かあるかもしれませんが、初恋は一回だけ。その純粋さは比べ物になりません。純粋さの極致が初恋です」。

 あさってから公開される映画「心に吹く風」の監督ユン・ソクホさんの言葉だ。ユン監督は「冬のソナタ」で日本での韓流ブームの火付け役となった巨匠。「死ぬまでにぜひやりたかった」という初恋をテーマとした映画。

 舞台は初夏の北海道。ユンさんは美瑛と富良野を訪れて物語の構想を練り、韓国に帰って脚本を書いた。韓国では数多くのテレビドラマを作ってきたが、それでも自分自身を表現するには物足りなかったという。

 文学、美術、音楽に造詣が深く、自然の中で暮らしながら、監督になればすべて盛り込むことができるだろうと考えてきた。それら自分の表現したいことを盛り込んだ作品、それが「心に吹く風」だという。

 劇場用映画の初監督作品である。ビデオアーティストの主人公リョウスケと高校時代の恋人、春香との再会のドラマだが、2人で交わされる会話は詩的で美しく、繊細な情感にあふれている。

 ユンさんによると、初恋を成立させる大きな要素は想像力なのだ。ファンタジーともいう。それを触発させる道具として使っているのが自然、音楽、アートなのだそうだ。話を聞いていると、ユンさんが詩人のように哲学者のように思えてならなかった。