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「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京)で…


 「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京)で昨年12月、徳島県のラーメン店経営の男性が出品した茶碗(ちゃわん)が貴重な「曜変天目」の4点目と鑑定された。その真偽について、愛知県で曜変天目の再現に挑み続けている陶芸家が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会に検証を申し立てたが、「却下」となった。

 番組では、茶碗に2500万円の鑑定額が付いた。報道によれば「委員会では本物かどうかを判定する能力がない」と説明している。委員会に陶芸作品の真贋(しんがん)の判定ができないのは普通だろう。専門家に鑑定を依頼する方法はあった。

 古美術界でも、分野ごとに強い弱いは当然あるから、業者が同業者に教えてもらうことはよくある。捜査の必要上、警察が専門家に鑑定を依頼することも珍しくない。その領域に詳しくない学者が、別の学者に質問するのも常のこと。

 BPOは今後、今回のような問題が持ち込まれれば「専門家がいないので分かりません」で押し通すつもりなのだろうか。茶碗の所有者が再鑑定に乗り気でないとの話はあるが、何であれ、「能力のなさ」を理由とした検証の拒否はいただけない。

 一方、テレビ局も「(真贋の判断は)番組独自の見解」と繰り返すばかり。「だから何だというのか?」という疑問には答えない。局側も、一番重要な真贋問題を放り出して、BPOともども事態の収束を待つ、ということなのだろうか。