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2020年東京五輪・パラリンピックの大会公式…


 2020年東京五輪・パラリンピックの大会公式グッズに、伝統工芸品「東京染小紋(そめこもん)」の技法を生かした風呂敷が決まった。大会エンブレム「組市松紋(くみいちまつもん)」があしらわれている。

 オンラインショップで先日発売されたが、即日完売するという人気ぶりだ。収益の一部は大会経費に充てられる。東京都の小池百合子知事がスカーフにして使用しPRするなど、五輪・パラリンピック準備段階での久しぶりの明るい話題だ。

 実は、風呂敷は実用的であるだけでなく、日本の知恵と文化がたっぷりと詰まっている。正倉院宝物を包む布が残存し、これが風呂敷の始まりと言われる。江戸時代には色や包み方のバリエーションが豊かになって流行(はや)ったという。

 「当時流通した風呂敷には吉祥文様や判じ物の模様が柄に取り入れられており、庶民の教養レベルの高さがうかがえる。風呂敷はそんな文化伝承ツールでもある」と、風呂敷研究家で和文化コンシェルジュのつつみ純子さん。

 かつては、どの家庭でも重箱や着物・反物などの運搬、保存に重宝し、生活に欠かせない小物だった。ところが1950年代後半、東京の某有名デパートが手提げの紙袋を客に提供し始めると急激に影が薄くなった。

 近年、エコや防災グッズとして少しずつ見直されていたが、ここにきて俄然(がぜん)光が当たった。「風呂敷講座」を全国で開催しているつつみさんも「20年東京五輪は風呂敷でおもてなし!」と張り切っている。