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強風、木造建築の密集、消防の不備などの…


 強風、木造建築の密集、消防の不備などの悪条件が重なった新潟・糸魚川大火だが、死者が出なかったことは不幸中の幸いだった。菅原進一・東京大名誉教授(建築防災学)は「消防だけに頼るのでなく、住民も消火や延焼防止の訓練をしておくことが大事だ」と話す。

 特に、初期段階では火元の人が消火器やぬれたタオルを使って火を消したり、広がった場合も地域の人々が協力して一斉に水を掛けたりするなどの対応が有効という。深夜であれば、もっと人的被害が出た可能性がある。

 かつてはどの家庭も「火の用心」を何より心掛け、一家の主人が火元を確認するように口を酸っぱくして注意したものだ。しかし、こうした光景は今節あまり見られない。

 家屋の造りも、昔は各部屋がふすま1枚で仕切られ、子供の力でも容易に打ち破ることができた上、ほとんどの部屋が畳敷き、周りは土壁で火の回りも遅かった。ところが今は防犯上、施錠が強化され、保温のために密閉空間が多くなっている。

 カーペットの類いで燃えやすく、有毒性のガスが発生するものが家の中に増えてきた。高齢者のいる世帯が増加しており、「まさかの時」を考えた防火対策が必要だ。

 糸魚川大火では延焼拡大の経過について今後の検証を待たなければならない。大半が木造建築だったことが延焼範囲を広げたのは確かだが、人的被害がほとんど出なかったこととどう関係したかについても知りたい。